第1日

1、蒸米放冷
生酛造りではかなり低温で仕込む。高温だと 「早湧き」といって野生酵母に汚染されやすい。

2、蒸米の手入れ
かきまぜて希望する温度まで下げると同時に、外部と内部を均一化する 。

3、水麹
水を計量して酒母タンクへ。麹を計量して酒母タンクへ。水と麹をよく攪拌します。

4、仕込み
水麹1~2時間後、放冷した蒸米を投入して櫂入れ(かいいれ)しながら仕込みます。

5、手酛
数時間後、米が水分をすっかり吸収した頃、写真のように手で全体を混合。(均一化と米粒の軟化のため)


第2日→第4日

6、酛摺り(すり)
仕込み後24時間、擂砕機(らいさいき)で酛摺りをする。(半切桶で行なわれる酛摺りを拡大して行う)
2~3時間に一度、計3回、時間で延べ50~60分擂砕(らいさい)する。

7、時櫂(ときかい)
ある一定の間隔で櫂入れを行い均一化させる。

8、打瀬(うたせ)
酛摺りが終わってから、暖気入れを行うまでの低温の期間。この間に硝酸還元菌、乳酸菌など有用微生物の遷移 (次々に支配的な微生物が交替すること)が順序正しく行われる。


第5日

9、初暖気(はつだき)
湯を詰めた湯たんぽのようなもので、酒母タンクのなかを攪拌(かくはん)し、温度を少しずつ上げ、糖化を促進させる。

10、前暖気期間
初めて暖気樽(だきたる)を入れることを「初暖気」といい、その後毎日「暖気入れ」を行う。温度が上がって麹による糖化がすすむと、栄養分が増えるので、乳酸菌が活発に乳酸をつくる。
この時甘酸っぱいヨーグルトのような状態になり、乳酸の働きにより雑 菌は皆無である。

第10日

11、酵母添加
内容成分が充実し、環境が整ったら純粋酵母を添加する。


第13日

12、膨れ(ふくれ)
酵母の増殖で、炭酸ガスが発生し物料が上の方へ持ち上がってくる状態 。


第17日→第18日

13、湧付き(わきつき)
ぶつぶつ発砲をはじめたら、さらに品温をあげると白い軽い泡があがってくる。


第19日→第20日→第25日

14、湧付き休み
高泡になったら「暖気入れ」をしなくても自然に温度が上がってくるため、加温は休む。(品温が最高になる)

15、分け
酵母の増殖が活発になると温度も20℃以上になり、酵母にとっては大変生育しにくくなります。「分け」とは、酵母が弱って死なないように冷却し、酵母を休ます。


→第28日

16、熟成
使用までの期間を「枯らし」という。この期間が長短が酵母の強さや老 若と関係する。

17、枯らし期間
弱い酵母だとこの間死滅して上澄みが生じるが、生酛の場合1ヶ月以上も上澄みしない。


完成

18、使用
醪(もろみ)の初添仕込に入る。